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トンガ -4日目-


朝起きて、歩いて村へと向かう。
最近ひどく栄養が偏ってきているため、果物を買いたかった。
けど、結局果物が売っている場所を見つけられず。
非常食用にクラッカーだけ買った。

村からの帰り道。
果物が買えなかった代わりに、ココナッツを一つ拾った。
ココナッツの栄養成分が何なのかは知らないが、多分雨水よりかは多少体にいいだろう。
途中、一台のトラックの運転手が僕に声をかける。
日本語が上手だったので、この先は日本語混じりの片言の日英会話。

「日本人か?後ろ乗っていいよ。」
「ありがとう。」
といいつつ、乗車。
「ここで何してんの?どこ泊まってる?」
「海の近く。一ヶ月くらいトンガにいる予定。ラグビー選手?」
「そうだよ。前に日本いた。埼玉。日本のどこからきた?」
「鹿児島から。」
「鹿児島かよぉ。なんだよ、遠いなぁ。一人か?女連れてきてるか?」
「一人だよ。ってか日本語うまいね。」
「当たり前だろぉ、七年日本いた。英語好きか?」
「勉強中。でも日本語で話したそうだから、今は俺も日本語で話してる。」
「そうか。ここ安い?ここにはいつまでいるの?」
「一泊T$13くらい。とりあえず、ここには一週間。けど、フィジーで三万円盗まれたから、今はあんまりお金使いたくなくて。どこ住んでるの?いっとき泊めてよ。笑」
「いいよ。子供も二人いるけど、うち大丈夫。日本では何やってた?」
というわけで、来週からは彼が住む近くの村でお世話になることに。
「東京で美容師。広尾とか六本木とか青山とかその辺。」
「六本木かよぉ!しってるよ、よくクラブいってた。」
「そっか。とりあえず日本に帰ったら、お礼に日本の食べ物なんか送るよ。納豆でいい?」
「納豆いらねーよ。あいつくせーよ。」

正午過ぎ、昨日に引き続きたくさんの人々が浜辺でBBQを。
ある家族が豚を一匹焼いていたので、その光景を写真に撮らせてもらった。
そして、そのままご飯も一緒に。
今日はBBQのお礼に、トンガ人とオーストラリア人のヘアカット。

フィジーの学生寮でお金は盗まれたけど、ハサミとカメラが無事でよかったと、常々思う。

夜は夜勤のおじさんベンと世間話を。
ここら一帯はオフシーズンなので、夜の時間は僕とベン以外誰一人としていない。
トンガについて、宗教について、自然環境について。
そして、トンガ語と日本語の教え合い。

雨が強くなりだした頃、九時くらいに部屋に戻った。

英語圏を旅する上で、英語でのコミュニケーションは確かに必要だ。
けど、現地のローカルな生活を知るために、英語を話せない現地の人々と現地の言葉を交えて身振り手振りでコミュニケーションをとることも、大切なことの一つだと僕は思う。

旅する人の姿勢によって、訪ねた国の印象は大きく変わる。

僕は今、観光客としての目線ではなく、現地に生きる人々と同じ目線で異国を旅したいだけ。
そして、ただ一人の人間として、そういう体験から得られる何かに、少し興味があるだけ。


2011/1/11